母子家庭の奮闘

怒る事と虐待する事は紙一重

投稿日:10/06/2017 更新日:

警察を呼ばれたことがあります。

 

数年前、離婚して安さに特化したアパートに住んでいる頃。

そこで娘を叱っている時でした。

 

 

今思えば私も冷静になれず、我を失っていたのだと思います。

つい、以前に住んでいたファミリー向けマンションと同じ様に声を大きくして怒ってしまい、そして娘もどうにも気持ちが収まらず、声を限りに泣き喚いていました。

 

 

ですが、これだけは誓って言えます。

娘を傷つけるつもりなど1ミリもありませんでした。

 

 

 

就寝前の20時頃でしょうか。

ひとしきり怒って、娘も泣き喚いて、それでもやっとこさ仲直りしてさぁ寝ようという時でした。

 

ピーンポーン。

と呼び鈴が鳴ったんです。

 

「警察の者ですが、お子さんが泣いていると通報がありました」

 

 

【虐待】と誰かに思われたということなんでしょうね。

 

 

 

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とてもショックでした。

 

 

警察官は恐々ドアを開けた私を見て、娘を見て、

「部屋の中を見せてくれますか」

と聞かれました。

 

見せるも何も、ドアから少し覗き込めば部屋なんて丸見えです。

 

ひょいと中を覗き込んでその人は、

「大体わかりました」

と言いました。

 

 

お子さんの様子や部屋の中を見れば一目瞭然なんだとその人は言いました。

(子供は私の異様な態度に足元に引っ付いて離れませんでした)

 

 

その時は仕事をフルタイムで始めたばかりだったので、家の中は物凄く汚かったのですが、警察官は納得した様子でした。

 

 

 

問題がないと思って貰えたのでしょうか?

 

よくわかりませんでした。

ですが、私はとても狼狽していました。

 

 

「いけないことをいけないと怒って子供が泣くのは、ダメな事なんでしょうか」

とつい警察官に詰め寄ってしまいました。

なんだか、怒る私を親として否定されたような気持ちになっていたのです。

 

 

すると、

「そんな事はありませんよ。ただ今の世の中は、お子さんの泣き声にとても敏感なんです。気にしないで下さい」

と言われました。

 

 

 

でも、

気にしないなんて、無理な話です。

 

あれから数年経ちますが、未だにその経験は私の子育ての自信を大きく奪っていきます。

 

 

 

 

怒られて泣くことなんて、私が小さい頃は日常茶飯事でした。

外に放り出されてわんわん泣いてました。

 

ですが実家に警察官が来たことなんて一度もありませんでした。

 

 

 

同じ事をしているだけだよ?

正しいこと、いけないことをしっかり教えたいと思っているだけなのに。

 

 

 

後日この一連の話を母親に話したら、

「住んでる場所のせいだよ」

とズバッと言われました。

 

 

実家は建売の一軒家。

それこそ夫婦揃って子育てをしているファミリー世帯が多く暮らす地域でした。

 

対し、その時に私が住んでいたのは築年数も相当のオンボロアパート。

しかも半分が空き家でした。

 

明らかな貧困層、母子家庭。

そこに子供の泣き声、親の怒鳴り声・・・。

 

 

連想するイメージは相当よくないもののはずです。

頻繁にニュースになる、虐待家庭の1つだと思われても不思議はありません。

 

 

通報されたのも、仕方ないことかもしれません。

 

もしもその【虐待】が事実なら、きっと子供は救われる結果になったのかもしれません。

 

 

 

ですが!!

私は虐待をしてはいなかったのですよ。。。。

 

 

 

 

それ以来、私はそのアパートの住人と顔を合わせる度に、

「この虐待オンナが」

という目で見られているようで、まともに目を合わせて挨拶をする事が出来なくなりました。

 

今までは、

「ご近所付き合いは大切」

と思いなんとか関わり合いになれるよう、率先して挨拶をしていたし、引越しのご挨拶にも子供と一緒に丁寧に回ったつもりでした。

 

 

 

 

 

そして。

通報されたと言う精神的ショックは、自分が望まぬ影響も与えていました。

 

いつもみたいに毅然と叱った後、あまりに泣き止まない子供に、

「あんまり泣くとまた警察が来るよ! 」

みたいな事を言ってしまうのです。

 

 

こんな言葉を言った自分が、本当に惨めでした。

 

 

警察は市民の味方じゃないの?

子供に「警察が来る」という脅しをかける自分が、物凄く悪い人間のように思えて来ました。

 

 

そうじゃないのに!

一生懸命子育てしてるのに!!

 

 

言い訳ばかりが自分の中でぐるぐるしました。

世の中の全ての人に、そう説いて回りたい程の気分でした。

 

 

 

 

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安さだけに特化した住環境は、貧困層と母子家庭が集まります。

誤解されやすい状況にも陥りやすいのではないかなと思います。

 

そういう事で追い詰められる事も、やっぱりないわけじゃないと私は思います。

 

 

だからやっぱり、どんな環境でも人と人が繋がっていく事って大切なんだなって痛感しました。

 

 

 

だって、あの時もしも警察官じゃなくて上に住むおばあちゃんが、

「凄い泣き声だけど大丈夫? お母さん疲れてるんじゃない? 」

って呼び鈴を押してくれればまた違ったような気がします。

 

もしも隣の角の部屋の人が、

「もう少し静かに注意しなよ。うるさいよ! 」

って怒ってくれたら、また違ったような気がします。

 

うるさくしてしまったことには大変申し訳ないと今でも思いますが、それでもやっぱり、虐待に間違われて通報されると言う事は、ショックな出来事以外の何者でもありませんでした。

 

 

 

 

そこには3年ほど住み、お金を貯め、その後に再び小規模ながらもファミリー層の多いアパートに引っ越しました。

それでも今でも来るはずのない時間帯に呼び鈴が鳴るとドキッとしてしまう後遺症は残っています。

 

 

 

ですが。

「繋がり」というもの、「私達の家庭」を知って貰う事はとても大事である事を学んでいたので、率先してそのアパートの居住者さん達とかかわりあう努力をしました。

 

そうこうしてひょんな時に階下のおばちゃんに会った際、

「いつもうるさくてすみません」

と謝ったら、

「お互い様よ。子供はそうだもんねぇ」

て言ってくれました。

 

 

私は以前のアパートに居た頃と何も変わっていないのに。

同じように叱り、子供をきちんと育てる上で必要だと思う事を泣かれても喚かれても曲げずに伝え続けている。

そんな子供の泣き声や喚き声を聞いても、ここでは

「子供はそういうもの」

として受け入れて貰える。

 

 

 

危うく涙が出るかと思いました。

 

 

 

私はこれからも。

多少煩わしくても、頑張ってにこやかに挨拶をし続け、ご近所付き合いを大切にしていこうと思いました。

その方が私にも子供にも、とても良い環境になるんだと身を持って知った経験だったのでした。

 

 

 

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